こんにちは、しろくまです。
僕は精神疾患を患っており、半年ほどですが、精神病棟に入院していました。
ここでは、その実体験を交えながら、精神科の閉鎖病棟について解説していきたいと思います。
ぜひ最後まで、ご覧いただければと思います。
閉鎖病棟とは
精神科の閉鎖病棟とは、急性期の精神疾患が進行していたり、興奮しやすく不穏や多動、時には暴力といった行動が見られる患者を隔離している病棟です。
そんな患者が入院している病棟の特徴は以下の通りです。
自由に出入りできない病棟
閉鎖病棟では、出入り口に施錠がしてあり、勝手に病棟を出られないようにしてあります。
私物の持ち込みにも制限もあり、自傷したり他者を傷つけたりする可能性のある紐状のものや金属物は原則持ち込めないようにしてあります。
僕が入院したときも、紐付きのジャージや、金属のリングで束ねてあるノートなどは持ち込む事ができませんでした。
そのチェックはかなり厳しいです。閉鎖病棟の存在意義は、患者やその周囲の方を守ることにあり、これらのハードチェックは仕方がないことです。ただ、その厳しさは刑務所にも匹敵すると思われ、いろいろと不自由な病棟ではありました。
患者本人あるいは周囲の方を守る
閉鎖病棟の目的は、患者本人のみだけではなく、その周囲の方を守ることにあります。
統合失調症やうつ病の患者の場合、自傷や自殺といった行動を取ることもあります。
通院や自宅での治療では、自傷や自殺といったリスクを防ぐことは難しいと言わざるを得ません。
このような背景から、家族の同意を得て、閉鎖病棟に入院することになる方は後を経ちません。
閉鎖病棟での行動制限
閉鎖病棟では、場合によっては、手足を拘束されることもあります。
これを身体拘束と呼びます。
身体拘束を行う場合、患者本人の人権保護のため、その手続きは厳しく規定されています。
僕が入院していた閉鎖病棟では、身体拘束を施された患者は居ませんでした。
おそらく、身体拘束をするほどの重度の患者がいなかったためだと考えられます。
身体拘束という最も厳しい処置が、安直に実施されないように、各病院には行動制限最小化委員会が設置されています。
入院の仕方
閉鎖病棟への入院の仕方は以下の通りです。
任意入院
医師が必要とした場合に、患者本人の同意のもと入院するスタイルです。
医療保護入院
精神保健指定医が入院の必要性を示し、家族あるいは親族などの同意が得られた時の入院スタイルです。
この場合、本人の意思は関係なく、強制的に入院させられることもあります。
僕の場合は、医療保護入院に当てはまります。家族の希望により入院しました。
閉鎖病棟に入院する時の例
閉鎖病棟に入院する時の例としては、以下のことがあげられます。
自傷、他害の可能性がある場合
自傷や自殺あるいは、他者への暴力を行う恐れのある患者を入院させる場合です。言葉や身体的な暴力を行使し、手に負えないと判断された場合にも実施されます。
統合失調症の症状として、他者から悪口を言われていると思い込んでいることもあり、周囲の方へ攻撃的な行動を取ることもあります。
そのようなことにならない様に、閉鎖病棟へ入院させます。
重度のアルコール依存症
重度のアルコール依存症の場合、自分の意志では飲酒のコントロールができず、アルコールへの執着が尋常ではないため、手段を選ばずに入手しようとします。
このような患者も、閉鎖病棟に入院することになります。
精神保健指定医の判断
最後に精神保健指定医の判断で、閉鎖病棟への入院が必要だと判断された場合です。
精神科の病院では、常勤の精神保健指定医を在中させることが義務付けられています。
この精神保健指定医は、人権が絡む法制度に精通しており、無闇に閉鎖病棟へ入院させたり、身体拘束や隔離を行わないように、的確な判断を下せる方です。
精神保健指定医が的確な判断のもと患者を管理することで、人権に抵触しないように、患者の治療を行うことができます。
閉鎖病棟で実施されている治療について
閉鎖病棟で実施されている治療には、以下の方法があげられます。
薬物治療
まず第一にあげられるのは、薬物治療です。
薬物には向精神薬が用いられます。向精神薬とは、うつ病や統合失調症などに使用される精神薬の総称です。この中には、うつ病の治療に使う抗うつ剤や、統合失調症に利用される抗精神病薬が含まれます。
僕の場合は、統合失調症なので、主に抗精神病薬を処方されています。
最近では、新しい第2世代抗精神病薬というものも開発され、精神病の改善に役立っているそうです。
精神療法
代表的な精神療法としてあげられるのは、認知行動療法です。
認知行動療法は、歪んでしまった物事の認知の仕方を修正していく治療方法です。
精神療法は、効果が即出るわけではなく、早くても数ヶ月または数年の時間が必要になります。
しかし、薬物治療と比べると、永続的な病状の改善を期待できるという点で、薬物治療よりも優れています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、精神科の閉鎖病棟とはどんなところか、どんな症状の人が入院するのか、といったことに触れてきました。
この記事のポイントを整理すると以下の通りです。
- 精神科の閉鎖病棟とは、自傷や他害の可能性がある患者を入院させる病院。
- 閉鎖病棟への物の持ち込みには、厳しい制限がある。
- 治療方法としては、薬物療法や精神療法などがある。
精神科の閉鎖病棟での入院は、いろいろな行動が制限され、とても窮屈な生活を強いられます。
なので、精神科への入院はよく熟考し、家族と相談した上で入院するのが最善です。
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